フクロウがカプロウと鳴く蛇よりもひそかな星の黒い葉らをしげらせてマホガニイの胎児をかかえた空が岩と〈見知らぬ神〉のわらいをかきまぜているひび割れた沈黙の杯に充ちてくる蜜と泥の透明なしたたりからっぽの秤のかたむく形を怖れKでもヨーゼフでもないひとりの奴隷がやみくもに太鼓をたたく四十三億二千万年の細ながい空間の膣を灼きつくす焔として叫びのかえらない洞窟の乾いた謎の雨に鋭くうたれていま/という瞬間の燃えさかる火刑台よかすかにひかる三葉虫の化石は崩れ不意にあらわなひとすじの刻画毛皮のようにくもる太陽の最初の影を象牙細工の棺にしずめて河はふかい傷口の森の中から流れている儀式的にわたって行く野牛の群れが消えてしまうと死者の大理石の胸を虹のように染めて眼のないワニたちがひしめきながら愛し合う