甘くて青臭い四月芋虫の街 自転車に乗って見習僧たちが過ぎる ゆうぐれて埃の中キラめくハイウェイかすみ 空を滑る飛行機見えず 壊れたラジヲ豆腐屋の風 催涙四月のやさしい放水に デモ隊マンホールに吸いこまれゆく 苦い汚水火照ったアスファルトをなぐさめた ひとっこひとり広場にいない 夕陽ひとつただ卵の黄味のように落ちた夕陽に 芋虫とろとろ溶けてゆくとか